2008年11月30日日曜日

THE WAITING GAME

タイトルの「ウェイティング・ゲーム」は、「待機戦術」、あるいは「根くらべ」というような意味ですが、この歌は、パーティーに来るはずの恋人がなかなか姿を見せないのを、不安になりながら待ち続ける男の様子を描いています。オチは、雨のせいで渋滞に巻き込まれて遅れていたというだけなのですが、ちょっとした映画の1シーンのように情景が浮かびます。携帯電話が普及した今では、相手の状況がまったくわからないままデートで待ち続けるというこういう感覚は、とくに若い人には伝わりにくいかもしれませんね。アルバム「BABYLON AND ON」の収録曲です。

タイコウチ


「待機戦術(ウェイティング・ゲーム)」

ダンスで足を踏みならす音が
板張りの二階の床から聞こえてくる
僕は楽しく笑う気分にはなれなくて
黙って椅子に腰かけている
まだ来てない人がいるんだ
外は雨が降っている
彼女はどこへ行ったのだろう、僕はどうすればいいんだろう
僕は待機戦術で待ち続けた

煙草のけむりは苦手だ
ひと風呂あびたい気分
アルコールを飲んでも僕の表情は晴れない
笑わせてくれるものは何もない
気がかりで頭がどうにかなりそうだ
そんな状況だった
彼女が遅れる理由は何だろう、どこにでかけたのだろう
僕は待機戦術で待ち続けた

誰かを好きになったとき
その人が現れないと心配になる
誰かを好きになったとき
待機戦術をとれば
時間がかかるのは当然のこと

二階の床から聞こえてくる
音楽のヴォリュームがどんどん大きくなる
ピーナッツをひとつかみもてあそんでいると
そこに彼女が立っていた
僕の気分は風呂上がりのようにときめく
雨のせいで渋滞に巻き込まれていたのだ
ハンガーにかけたコートから水滴がしたたり落ちる
待機戦術をとりながら
彼女の気持ちがわからなかった
待機戦術をとりながら
永遠に待ち続けなければいけないかと思った
待機戦術をとりながら

(訳:タイコウチ)