2010年12月31日金曜日

THE DAY I GET HOME

1991年のアルバム「PLAY」から「THE DAY I GET HOME」です。

この歌は、ツアーで世界中を旅してまわる若いミュージシャンが、久しぶりに家族のいる家に帰宅する喜びを描いています。飛行機に乗って世界のいろんなところに演奏旅行で行ける楽しみを大いに肯定しつつも、やはり家に帰れるときが一番、ということなのでしょうね。弾むようなリズムの曲調のせいもあり、旅回りのミュージシャンとしての素直な思いが伝わってくる、いい曲だと思います。

この頃クリスはすでにアルコールの問題もあって、ツアー嫌い、飛行機嫌いになってきていたはずですから、自分の心情というよりも、むしろ相棒のグレンの生き生きとした気分を想像で描いた歌詞のような気もします。

グレンといえば、最近の曲「HAPPY DISPOSITION」(アルバム「PANDEMONIUM ENSUES」に収録)でも、ツアーのために家族と離れがちな自分の生活について歌っていましたね。それから、「チーズをのせたトースト」というのは、ファースト・ソロ・アルバム「THE INCOMPLETE GLENN TILBROOK」の日本盤のボーナス・トラック「SUNDAY BREAKFAST TREAT」にもたしか出てきたような気がします。

そんなグレンも、年が明けてもうすぐ日本にやってきます。旅立つ直前に地元のパブAnchor & Hopeで一発腕ならし(?)をしてからの出発となるようですが、日本のことも、2番目、あるいは3番目の故郷と思って、こんな曲も歌ってくれるとうれしいですね(ソロでもたまに歌っているようです)。


「ぼくが家に帰る日」

若い男がころがるように家に帰ってくる
街灯が揺れ動き、道路の真ん中で
僕は雨降る中、歌って踊る
久しぶりに家に帰れるのはありがたい
地球上に地図を描いていく空の道が
僕を新しいところへ連れていってくれる
あちこちに旅することができる僕は幸せだ
飛び立ってはまた着地の繰り返し
家に帰ってもとくに変わりはない
税金の還付金がまた戻ってくる
テレビのニュースがついているが、いい知らせじゃない
木々の様子はわかるが、森は見えない

目の前にはどこまでも続く道があり
僕は自分の前に見える線をただ食べつくしていくだけ
素晴らしい体験が
日々を塗りかえていくけれど
この日だけは何にも代えがたい
僕が家に帰る日

若い男がころがるように家に帰ってくる
チーズをのせたトーストがオーブンで焼けている
旅の思い出はしまい込んで
戻ってきてはまた出かける、それが楽しいのさ
地球上に地図を描いていく空の道
東から西へ、北から南へ
いろんな観光名所を見てまわりたい
夜更かしをして、最高の楽しみを味わう
家に帰ってきても、様子は変わっていなかった
僕も変わってない、そう思いたい
この世界は皿にのったオイスターのようなもの
僕は旅をしてまわり、いつも朝寝坊なのさ


*「オイスター(牡蠣)」は、自分の思いのままになるものという意味

(訳:タイコウチ)