2008年11月24日月曜日

LOVE'S CRASHING WAVES

2年振りの復帰(?)第1弾は、Difford & Tilbrook時代(1984年)のヒット曲「Love's Crashing Waves」を訳してみました。前回の来日時にも、思いがけず1回だけ演奏してくれたのがうれしい思い出です。

80年代半ばという時代もあって(プロデューサーのトニー・ヴィスコンティのせい?)、アレンジもやたらとゴージャスですが、歌の方も歌詞としてはあまり一般的ではない大げさな言葉がたくさん使われていて、料理や音楽のメタファーで何を言おうとしているのか、正直はかりかねるところがあります。実はインタヴュー本「Squeeze: Song by Song」を読むと、この歌詞は当時いろんな意味で生活が派手になり、あやうくなってきたグレンに宛てた、クリスからの個人的なメッセージであるらしいのですが。

いずれにせよ、楽曲としての完成度が高いので、一昨年のようにギター1本で歌われても、ポップな魅力は抜群です。スクィーズの曲として出していれば、もっとヒットして、バンドの代表曲の1つにもなっていたのではないでしょうか。そもそもこの曲が収録されたアルバム「DIFFORD & TILBROOK」のCDが、現在かなり入手しづらい状況にあるのは残念ですね。

タイコウチ


「愛なんて岩にあたって砕け散る波のようなもの」

悪意にみちたゴシップも
その根拠が伝聞ならば何の足しにもならない
会話の切れ端に金を払ってまで
前菜にして楽しもうという物好きな奴らもいる

調子っぱずれの歌い手たちがでっちあげるうわさ話は
恋人たちの協奏曲には欠かせないもの
少なくともぼくたちは ピアニストの席には
自慢のポテトを添えて肉を出すようにしている

愛なんて岩にあたって砕け散る波のようなもの
そう見る人もいるが、きみはそうじゃない
でもきみが溺れるなんてことはない 
なぜなら愛こそはきみの生きる町
そこでは求める者はみな愛を見いだすことができるのだから

根も葉もないスキャンダルも
そんなに水っぽく薄められては手に負えない
慎重に言葉を選びさえすれば 愛は焼けつくほどに熱くなる
たとえそこに炎は立たなくとも

だからぼくの出す処方箋は
愛に取り囲まれて生きるための依存症
きみの愛が溺れかかっているなんて思っている奴らに
ありのままのきみを見せつけてやればいい

(訳:タイコウチ)