2010年12月8日水曜日

LOVING YOU TONIGHT

再結成後の活動が予想外に(!)本格的になってきたスクィーズの「LOVING YOU TONIGHT」です。

オリジナルは、1993年のアルバム「SOME FANTASTIC PLACE」に収録されていましたが、そのときのリード・ヴォーカルは、「EAST SIDE STORY」の制作時に続いて、当時2度目の助っ人参加をしていたポール・キャラックでした。「TEMPTED」のときとは違って(プロデューサーだったエルヴィス・コステロが、グレンではなく、ポールに歌わせるように勧めたということだったはず)、「LOVING YOU TONIGHT」は、もともとポールに歌わせることを前提に書いた曲だと、どこかのインタヴューで、グレンかクリスが答えていたと思います。しかし、現在のツアーでは、グレンの歌でライヴの定番曲になっています。今年の夏に出たリメイク・アルバム「SPOT THE DIFFERENCE」でも、グレンのヴォーカルになってましたが、そのヴァージョンでは、ポール・キャラックがキーボードと担当しています。

内容は、クリスの作詞によくあるパターンで、彼女を裏切って浮気をしていたダメ男の真摯な懺悔歌、という感じです。「TEMPTED」の物語のその後、という解釈もできそうですね。なんだか落ち込み気味に始まる1番の歌詞ですが、3番になると、どんどん多幸感と自信にあふれていくのは、けっこうお気楽で都合のいい展開ですが、スクィーズ時代のクリスの書く詞には、そういうパターンが多い気がします(笑)。


「今夜、君を愛す」

明るく輝く満月が
深紅色に空に浮かび
宙に吊るされた炎のように
この冬の夜を照らしている
僕は中途半端な気持ちをかかえ
どこにも動きだせずにいる
すべてが無意味に思えてしまう我が人生
夜空を見上げれば、星とともに「?」が浮かんでいる
愛する人のもとにいま車を走らせる
森ばかり見て、木々を見失いがちな僕だけど
今夜、君に愛を伝えられればうれしい

月の光はやがて
赤色から白ばんでくる
頭上に月をささえる木々は
夜の眠りについている
道路標識が見えて
道がゆっくり曲がっていく
すべてが無意味に思えてしまう我が人生
飛行機のテイルライトが点滅しながら夜空をわたる
問題を理性で料理するつもりで、思いつきで揚げ物にしてしまう
あのとき誘惑に駆られたのは間違いだった
今夜、君に愛を伝えられればうれしい

今こそ最後の真実に向きあうとき
もしも関係がうまく修復できなければ…
いやなんとかできるはず
今夜こそ、君に愛を伝えられそうな気がする

太陽が上りはじめ
あたりはかすみに包まれる
彼女は僕のわきに眠り
僕は自分を誇りたい気分
ここはまるで天国みたいじゃないか
僕のわきには彼女がいて
今夜ここに、たしかな愛がある

(対訳 タイコウチ)