2015年3月25日水曜日

FRUIT CAKE

フルーツケーキ

とてもきれいで、おかしくて、ちょっと変わってる
ちょっといかれた感じは出会ったときから
ぼくは昔からその日暮らし
彼女といっしょならなんとかなるだろうと思った
彼女はゆっくり時間をかけて人生を学び
ぼくもそのためにできるだけのことをした
ブレーキから足をはずし、エンジンの調子も上がってきた
愛情のすべてをぼくの大切なフルーツケーキに捧げた

オーブンで焼き上がったロールパンみたいにぴったりのタイミングで
最初は男の子が一人、そしてまた一人
無我夢中で子どもたちのことを愛した
生活が変わり、やるべきことも変わる
寝不足のせいでいろんなことがうまくいかなくなり
ぼくたちの愛は逆方向にロックされてしまった
恨みや怒りが受け入れがたいのは
ぼくのかわいいフルーツケーキに殴られるのと同じ
殴られてもその傷を隠し
心はぼろぼろなのに、大丈夫だよと答えてしまう
ぼくたちはぐるぐる回りながらどこへも行けず
口げんかは2階まで持ち越される
フルーツケーキをめぐる混乱に投げ込まれて
ぼくはもうくたくたになってしまった

たしかに手をつけなければいけない問題がある
さもないとぼくはただぼろぼろになっていくだけ

月日はすぎ、ぼくたちはまだなんとかやっている
調子はどうなのときみに聞かれ、ぼくは作り笑顔
否定はしないが、隠しているだけ
家族いっしょにいられれば、傷はそのうち癒えるだろう
結局自分にできる最善をつくしてきたということ
子どもたちとぼく、そしてぼくの大切なフルーツケーキのために
さて、怒りをもって振り返るか、過去から何かを学ぶのか
陪審員は協議中にて、裁判は一時休廷

(訳:タイコウチ)

 The Fluffersとの名義の前作「Pandemonium Ensues」に収められていた「Best of Times」「Happy Disposition」「Still」などに連なるティルブルック夫妻というか一家の自伝的内容と思われる1曲です。フルーツケーキというのは、もちろん奥さんのことなのでしょうが、面白いのは、単なる「アイ・ラブ・ユー」の歌ではなく、彼女といっしょにやっていくのもいろいろたいへんなんだという真情(?)を吐露する雰囲気があることです。なんだかリアルで、身につまされます(笑)。こういう正直なところ、ある意味グレンの人としてのまっとうさを感じるところでもあります。