2006年9月4日月曜日

CAN OF WORMS

離婚した子連れの女性とつきあう男の困惑した心情を、子どもとの関係で描いた「Can of Worms」は、89年のアルバム「Frank」に収録されています。サビ(とタイトル)に出てくる'open a can of worms'とは、虫がいっぱい詰まった缶をまちがって開けてしまうということから、「複雑で解決困難な状況にかかわる」という意味。ちょっと切ない大人の日常風景を、まるで映画でも観ているかのように生き生きと描写しつつ、シンプルなポップスとして聴かせてくれるスクィーズらしい1曲です。抑えのきいたタイトな演奏もまた素晴らしい。

タイコウチ



「虫の入った缶」


彼女は結婚していたが 離婚した
まあそんなことはよくある話
子どもたちはまだ落ち着かず
2人でケンカになることもある
おもちゃやゲームに囲まれて遊んでいるとき
子どもたちにとって 彼女はお母さんで ぼくは友だち
床に腰をおろして 子どもたちといっしょに遊ぶ
ぼくは1週おきの週末にソファーで眠る
子どもたちの父親がわりにはなかなかなれそうにない

彼女はとてもしっかりしたお母さん
子どもたちに真剣に説明しようとする
できるかぎりすべてのことを
だけど小さい子どもでも考えることは鋭くて
最悪の状況まで思い描いてしまう
ときには話しても理解してもらえない
努力しなくちゃいけないことがたくさんある
虫の入った缶をあけてしまったときには

子どもたちを連れて公園に行き ブランコで遊ぶ
母親に一息ついてもらうために
そこへ別れた父親がやってくるのが見える
まっすぐ公園の門に向かって
心臓がのどもとにせりあがり ぼくは立ちすくんでしまう
ここにいるぼくたちにどうか気づきませんように
やがて父親の姿は消え 子どもたちは何も気づかずすべり台で遊んでいる

ぼくは新聞を読み スクランブルエッグを作る
子どもたちはもう出かけるしたく
週末は父親が子どもたちを連れ出すことになっている
おこづかいをもらって お菓子を食べる
じゃあねと手をふる子どもたちは すでに興奮気味
そしてぼくはそのままベッドにもどる
母親は玄関の外に出て
車で出かけていく子どもたちを見送っている

(訳:タイコウチ)

英文の歌詞はこちら