2006年9月23日土曜日

KING GEORGE STREET

AKIKOさんが前に取り上げていた「KING GEORGE STREET」の詞は、クリスにとってもかなりの満足のいくできだったようで、この曲がシングルになったとき は両親にもすごく喜んでもらえたと、うれしそうにインタヴューに応えています。しかし、さすがのクリスも、この曲にグレンがこんなに複雑なコードをつけてくるとは思いもしなかったそうで、スタジオにグレンが譜面を持ってきたときには、他のメンバーの雰囲気がかなり悪くなったらしい(笑)。

でも、去年のグレンの東京公演でお客さんからこの曲のリクエストがあったとき、グレンも「え〜、急に言われても難しすぎてできないよ」みたいな反応でかわしていたような気がするのですが、あらかじめリクエストしておけば、ちゃんと思いだして練習しておいてくれるでしょうか(笑)。皆さん、リクエス ト・ボックスにぜひお願いします(笑)。

歌詞の内容は、その後クリスによって何度も取り上げられることになるテーマ で、酒に酔って暴力をふるう男とその家庭のスケッチです。

タイコウチ


「キング・ジョージ・ストリート」

彼女は子どもたちを連れて真夜中に家を出る
お菓子の袋を手にした子どもたちは毛布にくるまり
別の町に住むおばあちゃんの家に向かう
子どもたちが見上げると、そこには街灯とそぼ降る雨
こんな冒険が真夜中になしとげられた
幼い子ども2人には夜更かしをさせて
真冬の天候は厳しく、雨と風がひどかった
午前4時のキング・ジョージ・ストリート

彼がいったいどこへ行ったのか気がかりで彼女は眠れなかった
ドアが大きく開き、明かりが外へ伸びる
タイヤのマークのついた帽子をかぶった男はひどく酔っぱらっていて
廊下にいた猫の上に倒れ込んだ
涙にくれる妻に向かって「スペイン万歳」を歌いながら
照明のかさを叩いて揺らす
家を逃れた家族は避難民のような格好でドアを叩いている
雨に濡れるキング・ジョージ・ストリート

もう二度と自分の家であんなまねはさせないと
彼女は心に誓う
男がアルコールをすっぱり断たないかぎり
玄関から追い出すだけだ
街角で子どもたちが男の足下にしがみつく
お父さんがキング・ジョージ・ストリートのお家に帰ってきた

彼らはやかんを囲んで立ちすくみ
お湯が沸騰するのを見守っていた
ハンカチに向かってくしゃみをする
冷え切った手は真っ青
次の晩男は花束を持って家にやってきた
しかし中には入れてもらえない
窓から中をのぞきこんだ男は
口を動かして声にならない言葉を伝えようとする
紅茶のカップに口をつけようとした彼女は
外にいる男の姿を見つける
子どもたちはかけ寄ってくるが
彼らは本当に幸せになれるのだろうか
お父さんがキング・ジョージ・ストリートのお家に帰ってきた

(訳:タイコウチ)


英文の歌詞はこちら