2006年9月24日日曜日

PULLING MUSSELS (FROM THE SHELL)

この曲は、Squeeze初期の代表曲でライヴの定番でもありながら、長年何を歌っているのかいまひとつわからない歌でした。しかし、わけがわからないなりにグーグルや辞書の助けも借りて訳してみると、以前よりはイメージが具体的に結ばれてきたような気がします。

全体としては、例のインタヴュー本でも述べられているように、イギリスの典型的な海辺の避暑地の光景を描写したものであるということです。冒頭の「キャンバー・サンズ(Camber Sands)」というのは、イギリスでは有名な海水浴場のある町で、キャンピング・カーでやってきて、サーフィンをやる人たちも実際に多いようです(グーグルでイメージ検索をしたら、キャンピング・カーとサーフボードが並ぶ海辺の写真がほんとに出てきてびっくりしました)。

しかし、サビに出てくるウィリアム・テルとメイド・マリアンのくだりは、いまだにあまりピンときません。最初は、ロビン・フッドの恋人の修道女マリアンかと思っていたのですが、どうやらメイド・マリアンというのは、別名「五月姫」といって、モリス・ダンスというイギリスのお祭りの伝統的なダンスで男性が演じる女役のことのようです。そして「ムラサキイガイ」は、いわゆるムール貝と考えても間違いないようですが、地元の名物なのでしょうか?

タイコウチ


「ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている」

キャンバー・サンズでもやっている
ワイキキでもやっている
日がな一日海辺でのんびり
夜になるとコオロギが鳴きだす
まぶしそうに目を細めた顔を空に向け
ハロルド・ロビンズのペーパーバックを読んでいる
サーファーたちはボードを置いて甲羅干し
みんな帽子をほしがっている

でも山小屋風の海の家の裏で
ぼくの休日はようやく完璧なものとなる
ぼくはまるでウィリアム・テルになった気分
五月姫のマリアンはつま先立ちで
ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている
ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている

冷たい海の中で身を縮こまらせて
トップレスの女たちはそっぽを向く
突然降りだした雨に打たれるマッチョな男
あわてて雨宿り
モーターボートがあればいいのにと思う
港のバーで自慢するために
そして太陽が眠りにつく頃
車の陰でだれかといちゃつく

でも山小屋風の海の家の裏で
ぼくの休日はようやく完璧なものとなる
ぼくはまるでウィリアム・テルになった気分
五月姫のマリアンはつま先立ちで
ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている
ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている

太った女性が2人でウィンドウショッピング
暖炉の上に飾るおみやげを探す
9が揃ってビンゴになりそう
かわいい姪にはパンダのぬいぐるみ
長距離バスの運転手は立ったまま
このあたりの地図をながめている
男の子がひとりいなくなってしまった
隣のキャンピング・カーに間違って乗っていってしまった

でも山小屋風の海の家の裏で
ぼくの休日はようやく完璧なものとなる
ぼくはまるでウィリアム・テルになった気分
五月姫のマリアンはつま先立ちで
ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている
ムラサキイガイの身を殻からはずそうとしている

(訳:タイコウチ)

英文の歌詞はこちら