2006年9月29日金曜日

LAST TIME FOREVER

アルバム「COSI FAN TUTTI FRUTTI」は、サウンド・プロダクションが装飾過剰で、ファンにもあまり評判が良くないようです。このシングルにもなった「LAST TIME FOREVER」という曲には、私もさほど思い入れはないのですが、 スクィーズとしてはあまりないタイプの歌詞なので、取り上げてみました。

愛する妻をつまらない嫉妬心から殺してしまった男の話です。飛行機のパイロットが、自分の留守中の妻の不貞を疑って殺し、その死体が5年後に湖に上がった、という実際の事件を新聞で読んだのが、この詞を書くきっかけだったと クリスは語っています。妻の死体はシーツに包まれており、そのシーツにはクリーニング屋のタグがついたままになっていて、そこから犯人が割り出されたという事件だったのだそうです。

なお、曲の途中で妙な効果音のようなものが入りますが(アルバム・ヴァージョンのみで、ベスト盤収録のシングル・ヴァージョンではカットされています)、これはスタンリー・キューブリックの映画「シャイニング」(原作はスティーヴン・キング)からのサンプリングで、「一時的な筋肉協調不全(A momentary loss of muscular co-ordination)」という主演のジャック・ニコルソンのせりふと、「お願いだからやめて、ジャック(No Jack please)」という奥さん役のシェリー・デュヴァルの叫び声なのだそうです。

ちなみに、スクィーズの作品ではこのアルバム「COSI FAN TUTTI FRUTTI」が大好きだという珍しい(?)人に会ったことがあります。その人は、フランク ・ザッパの最後のバンド・ツアー(1988年)でギター、キーボード、ヴォーカ ルを担当していたマイク・キニーリ(Mike Keneally)さんです。きっと、このポップを逸脱しかかったギミックてんこ盛りなサウンドが彼の好みだったのだと思います。キニーリさんは、イギリスに行ったときに、当時のスクィーズのベーシスト、キース・ウィルキンソンの奥さんが経営するプチ・ホテル (?)に泊まったことがあるとの話でした。トリヴィアな話ですみません (笑)。

タイコウチ


「永遠のお別れ」

愛とはいずれ終わるもの、という言葉を
聞いたことはあるかい
ぼくは今夜その言葉を読んだ
言い訳のしようのない間違いをぼくは犯した
考えだしたら止められなくなって
彼女の気分を害してしまった
今夜彼女に最後のお別れを言ってしまった 永遠のお別れを

今夜彼女のことを思うと
なかなか寝つけない でもどうしようもない
あれだけたくさんの想い出があるのだから
ぼくは気が弱くて
自分の怒りはいつも押し隠してきた
今夜こそ彼女に最後のお別れを言おう 永遠のお別れを

ぼくが嫉妬するようになってすべてがおかしくなってしまった
自分がそんなに力を入れていることに気づかなかったんだ
あんなに幸せそうだった彼女の命を奪ってしまうなんて
ぼくたち2人は仲の良い友達夫婦で知られていたのに

あなたを愛している、という言葉を
読んだことはあるかい ぼくは今夜その言葉を読んだ
でももう手遅れだ
自分のしたことを悔やんでいる
馬鹿なことをしてしまった
今夜彼女に最後のお別れを言ってしまった 永遠のお別れを

(訳:タイコウチ)


英文の歌詞はこちら