2006年9月13日水曜日

WALK AWAY

アルバム「RIDICULOUS」から、クリスが優しくも過保護だった母親へのアンビ ヴァレントな思いを綴った自伝的内容の「WALK AWAY」は、前作で一時的に復帰したポール・キャラックのアイディアによるぶ厚いコーラス・アレンジと、 グレンの熱唱によって、いっそう胸を打つ作品に仕上がっています。90年代になってからの作品には、この曲のように自分自身の人生の危機をテーマに、赤裸々な告白調の歌詞を書く傾向が出てきますが、これはクリスのソロ・アルバ ム「I DIDN'T GET WHERE I AM」へのゆるやかな布石だったように思えます。

タイコウチ


「僕をひとりで行かせて」

庭の小道に立つ僕の姿を撮った
モノクロの写真が
フットボールのスカーフに包まれて
僕の手の中にある
写真の中で母さんは僕のことを
息が詰まりそうなほど抱きしめている
いつまでも僕にかまいつづける母親だった
どうすれば僕を苦しめることができるのかよくわかっていた
世の母親というものがみなそうであるように
今でも彼女はいたるところにつきまとう
僕の髪をとかすくしのように
椅子に座っている僕の姿
でもそれは本当の僕じゃない

その子は言い争いから逃れて
庭のフェンスに腰かける
そして彼女の唇からこぼれ落ちる言葉が
ひたすら過ぎ去っていくのを待っていた
彼は家の手入れを決して怠らず
彼女がベルを鳴らすたびに
自分が落ところからはい上がり
乱れた心を静めようとした
今や僕はその性格が身についてしまったのではないかと怖れている
震えが背筋を伝わっていく
曲がりくねった道を歩いていると
その現実が僕を打ちのめす

だからあなたから離れて 僕をひとりで行かせて
自分でも僕にそうさせたいと思っているはず
僕に新しくやり直させてほしいんだ
僕をひとりで行かせて

それだけが問題じゃあないけれど、問題は自分の母親なんだ
彼女のことをどれほど愛しているか
彼女のことをどれほど愛しているか
彼女のことをどれほど愛しているか
だから口に出して言うのはやさしいことじゃない
お願いだから僕をひとりで行かせてくれと
僕をひとりで行かせて
僕をひとりで行かせて

だから僕を自分の足で歩かせて
アイスクリームのコーンを最後まで残さずに食べさせてほしい
それだけをはっきりさせることができれば
すべてはうまくいくはずなんだ
ねえ、僕を見て、もう子どものいる父親なんだ
自分でも驚いてしまうけどね
それでも独り立ちしようとしているんだ
人生をめちゃくちゃにしながら
これが僕なんだ、この僕の姿を見て
これでもできるかぎりのことはやっているんだ
この人生には何かそれなりのプランがあるんだ
でもそれがどんなものかはまだわからない

(訳:タイコウチ)

英文の歌詞はこちら