このブログも、おかげさまでメジャーな曲はかなりカバーしてしまった感もあるので、これからは地味めな曲が続くことになるかもしれません(笑)。今回は、不遇のアルバム(?)「PLAY」(1991年)から、さらにあまり目立たない(?)「GONE TO THE DOGS」です。
タイトルであり、サビでも繰り返される'go(ne) to the dogs'というフレーズは、文字通り「ドッグレースに行く」という意味と「落ちぶれる」という俗語の意味がありますが、この歌では、レース場に来た男の様子(窮状の詳細はよくわかりませんが)を表わすうまい掛詞になっています。
最近のベスト盤「THE SQUEEZE STORY」にも収録されたのは、きっと英国のローカル色あふれるこの歌詞の描写のせいで、地元ファンの人気が高いからではないでしょうか。
タイコウチ
「落ちぶれた男、ドッグレース場にて」
ドッグレース場で金を賭ける人たち
丸めた札を手に握りしめる
照明に照らされたトラックにみんなの視線が集まる
勝利をおさめた犬が表彰台に登るところ
古びたカバート・コートを着て、トライブの帽子をかぶり
犬の飼い主たちがあたりをうろつく
両手を広げる時計係は
口ひげを細く刈り込んでいる
ドッグレースにやってきた男とその妻
男は手すりのそばに立ち、空を見上げる
くよくよ悩み続けているせいで
考えがまとまらずに気が散っている
トラックでひとり佇む土曜の夜
落ちぶれた男
ここに立ちつくして思いをめぐらす
落ちぶれた男
今さら悔やむこともない
満席になったレストランで
テーブルに置いた賭け金をウェイトレスが運んでいく
バスケットに入った食事にドイツ産のワイン
興奮が高まり
ベルの音が鳴り響く
スタジアムは歓声で埋まり
煙草のけむりが宙に漂う
レースは最後の一周に入り
犬たちは一直線におとりの野うさぎを追う
(訳:タイコウチ)
*カバート・コート(covert coat):乗馬・狩猟用のコート。