2009年6月12日金曜日

MELANCHOLY EMOTION

2006年の来日公演でもすでに、パソコンに入った音源をバックにして歌われていたこの曲は、ソロになってからのグレンとの共作曲も多い、クリス・ブレイド(Chris Braide)との作品です。クレジットでは、グレン&クリスの順番なので、かつての「UNTOUCHABLE」と同様に、グレンが作詞で、クリス・ブレイドが作曲ということだと思われます。

この曲も、一聴したポップな雰囲気とは違って、歌詞の内容は、古い友人(かつての音楽仲間?)が、酒に酔って川に落ち、突然亡くなってしまい、その葬式に出てきた帰りの飛行機の中で、語り手は憂鬱な気分に襲われているというものです。

友人の早すぎる死をきっかけに、自分の生の来し方行く末に思いをめぐらすという、苦い後味のする大人のポップソングだと思います。

タイコウチ


「憂鬱な気分で」

これまでの人生、いったい何を手にしてきたのかと考える
なんとか生き抜いてきたが、そうでない仲間も多い
安全ベルトを締めて、飛行機の離陸に備える
憂鬱な気分で

眼下の街並がもう懐かしく思えてくる
機内食のチョイスはどれも好みじゃない
赤ワインを一杯食事にあわせて頼む
憂鬱な気分で

白馬に乗ってパッカパッカと走っている
ぼくの首が誰かに狙われているなんて
どういうことなんだ、こんな夢早く終わりにしてほしい
憂鬱な気分で

はっとして目覚め、ふいに思い出す
きみに何が起こったのかを
酒に酔って
川に落っこちてしまうなんて
きみは一気に水底まで沈んでしまった

きみが欺いた奴らも許してくれたし
盗用した詩のことはもう気にする必要はないのさ
あのときはみんなで笑ったが、今は悲しんでいる
憂鬱な気分で

振り返ってみてもしょうがない、ただ前に進むだけ
きみは先に逝ってしまったが、いつまでも忘れないよ
こうしてさよならを言いながらも、きみとの別れをまだ惜しんでいる
憂鬱な気分で

(訳:タイコウチ)