2009年6月14日日曜日

SHE MAKES ME

実は、このアルバムの中で、訳すのにいちばん悩まされたのがこの曲でした。ストーリーがあるようなのですが、いくら考えても前後のつながりがいまひとつすっきり見えないという、まさに「Don't make me breakdown」です(笑)。

ですが、わからないままに字面だけを日本語に置き換えるのもなんだか気持ち悪いので、思いきって少しだけ(思いきってとはいっても、ほんの少しだけですが・笑)私の解釈を補って訳してみました。

(私の解釈による)ストーリーを簡単にまとめると、語り手は、ニューヨークで不思議な魅力を持つ年上の女性に出会い、意気投合してドライブにでかけるのですが、途中でどうも彼女の様子がおかしいことに気づきます。でも時すでに遅しで、彼女のせいで何らかのトラブルに巻き込まれ、最終的に2人とも州境の検問所で警察に捕まってしまいます。あとでわかったのは、彼女は元映画女優で、神経衰弱が原因で早くに引退し、その後入所していたノースカロライナの施設から逃げ出してきていたところだった、というものです。

クレジットは、サイモン・ハンソン&グレン・ティルブルックなので、おそらくこの歌詞は、「RELENTLESS PURSUIT」と同様に、ドラムのサイモン・ハンソンのペンによるものと思われます。

タイコウチ


「彼女のせいでぼくは…」

彼女と出会ったのはニューヨーク
ちょっと変わった年上のかわいい女
日焼けした顔に浮かぶ微笑みがとても素敵で
ぼくはもういきなり彼女の虜になった
でもうまくいったのは2日目まで
それでも彼女こそぼくの理想の女だと思っていた

ぼくたちは車で旅に出ることにした
彼女が心の病にかかっているとは知らなかった
彼女の手を握りながら、スピードを落とさなければならなかった

彼女の様子を見てるだけで
ぼくは神経が参ってしまう
彼女のせいでぼくは神経が参ってしまう
ひざまずいたぼくは、彼女に頼み込む
どうかぼくを落ち込ませないでおくれ

ショッピングセンターの駐車場に転がり込んだ
たぶんぼくたちはもともといっしょになる運命にはなかったんだ
そんなぼくの弱気を嗅ぎつけると、彼女はかえって強気になった

すると小型トラックに乗ったあご髭をのばした男に言われた
「あんたたち、運に見放されたような顔をしてるな」
この男なら困り果てたぼくたちを助けてくれるかもしれない

彼女の様子を見てるだけで
ぼくは神経が参ってしまう
彼女のせいでぼくは神経が参ってしまう
ひざまずいたぼくは、彼女に頼み込む
どうかぼくを落ち込ませないでおくれ

州境の検問所で州警察が待ちぶせていた
ジョージアにはどうやらほんとに悪魔がいるらしい

彼女は映画スターになったはいいが
ひどい神経衰弱になって引退し
ローリーだかダラムの施設で隠遁生活を送っていた

どうかぼくを落ち込ませないでおくれ


* ローリー(Raleigh)、ダラム(Durham):ともに米国ノースカロライナ州の都市

(訳:タイコウチ)