2008年11月28日金曜日

NO PLACE LIKE HOME

この頃(1985年)、派手なサンプリングが流行ってましたよね。この曲の後半に出てくるヴォーカルのサンプリングを初めて聴いたときは、「スクィーズよ、お前もか!」と思ったものです(笑)。

「No place like home」とは、「我が家にまさる所はない」、「我が家がいちばん」という決まり文句ですが、歌詞の内容は、ひとひねりしてあって、浮気がばれて夫婦喧嘩の最中に(というか、男が奥さんに一方的にやられてるだけのようですが)、タイトルのせりふが出てくるわけです。

山積みになっている本を投げつけられるなんてところは、実体験に基づいているのではないかと思いますが、どうでしょう(笑)。非常事態にもかかわらず、全体にコミカルな印象で、しかも小道具を使った描写やせりふも面白い、なかなかすぐれた歌詞だと思います。

タイコウチ


「素晴らしきかな我が家」

ぼくは事実に直面する
さらにひとつかみの脅しにも
ベッドの端に腰かけて
自分のしゃべった言葉を
面白がっている
何の防御もせず
そのときひとつかみの愛が
ぼくの頭をバシリと直撃する

声を荒げて近づいてきた彼女は
本の山から一冊つかみ上げ
ぼくに向かって投げつける
でも1マイルも大はずれ
枕をかかえたぼくは
すっ裸で大あわて
ゴミ箱を片手に
部屋の隅まで追いつめられる
そしてマットレスの上へ
もう逃げ場はない
ぼくは有罪です、そう有罪なのです
それでも、素晴らしきかな我が家

時間を巻き戻して
何がまずかったかを考える
許しを請うぼくは
ゴングのように叩かれるまま
どうやらぼくは
へらへら笑いすぎたかどで有罪のようだ
ずっと前にもう別れてしまった
あの恋人たちのことを考えれば
ぼくは有罪、きみも有罪
だから投げられるものならぼくに石を投げよ
過去のことはすべて現在につながる
この我が家しか居場所がないときには

脱いだ靴で
ぼくの頭をねらってバシリ
きみのイヤリングが電話のように鳴り響く
なんとか言い訳すれば
この制御不能になった愛しい人を
修復できるかも
ああ、素晴らしきかな我が家

(訳:タイコウチ)