2006年9月21日木曜日

ONE FOR THE ROAD

グレンの「TRANSATLANTIC PING PONG」の最後の1曲、ドキュメンタリー「ONE FOR THE ROAD」のテーマ曲。といっても映画の方では流れるシーンはない。でもエイミーのホームページwww.glennmovie.comに行くとバック音楽で流れるポップな曲だ。

このドキュメンタリーについて、エイミーに話を聞く機会に何度か恵まれた。彼女と会ったのは実は一度きり。ロンドンで今年の1月に会った。でもそれ以外にも、実際、彼女とは妙にウマがあい、いっつも夜中に二人で女子高生のように長いメールをやり取りしてしまう。実際グレンと一緒に働くあの感じは、やっぱり同じ体験をしたものじゃないと分からない部分があるから、そういうことが一番彼女と私をつないでいるんだろうと思う。また彼女のアドバイスもものすごく適格で、それに幾度助けられたか知れない。本当に私は助かっているのだ。エイミー、ありがとう!

この映画についてのエイミーの苦労たるや、いや、ほんと凄まじいものがある。彼女の苦労は表から見えているだけでも相当だけど(これは彼女の日記を見れば分かる)、いや、もう、そこには書けない話を聞いたらそりゃーもう私だったら絶対に怒ってすべてを投げていると思うよ、というくらいだ。

だから外野がいろんな批評を簡単に彼女に浴びせるのを聞くと頭にキてしまう。そういう勝手な批評をする奴には、じゃあ、お前がおんなじ事をやってみろよと言いたい。彼女の苦労を知っていたら簡単な事は絶対に言えない。まぁ、もちろん芸術作品を発表する者として、そういう批評にはたえないといけないんだけどね。

でも、あのドキュメンタリーがあるだけで、私たち世界で働くグレンのプロモーターがどれだけ助かっているか! あれを見せればグレンやスクイーズを知らない人でも、グレンがどんなに頑張り屋さんで、どんなにライブが楽しいのかをすぐに分かってもらえるんだもの。本物の映像のなんと説得力のあることか。

ほんと、エイミー頑張ったよ。実はエイミーはこの東京での5夜連続ライヴに遊びに来たい、自分で来るからとすごく言っていた。でも私はエイミーが来るんだったら、きちんと監督としてこちらで招待してあげたいんだよね。それが彼女に対する私の尊敬の気持ちであり、彼女が成し遂げたことへの感謝の気持ちだから。それが仕事仲間としての礼儀だ。そういう礼儀が理解できない人って多いけど。ほんといつの日か監督として、きちんと来日してほしい。映画祭とかにこの映画を使ってくれるところがあらわれないかなぁ。ここを見ている映画関係者の方がいたら、ぜひご連絡を乞う!

今日たまたまニューヨーク・ドールズのベーシスト、故アーサー・ケインのドキュメンタリー「New York Doll」を見た。めちゃくちゃ感動。コメントで出てきたミュージシャンたち(モリッシーやボブ・ゲルドフなど)全員が、いい人になってたのに、いや、嫌味じゃなく本当に感動した。プロダクション・ノートによれば、あそこに出演したミュージシャン全員がノーギャラで、アーサーのドキュメンタリーだというと彼に対する温かいコメントを寄せてくれたのだという。実際メルトダウンの会場での収録も、撮影隊が出発前は許可がおりるかわからなかったのだそう。でも、ホントそうやってみんなに支えてもらわなくっちゃ映画なんか実現しない。グレンも、エイミーもそう。多くの温かいファンの人たちに支えられ、いろんんなことを実現していく。グレンの来日もそう。多くの人に応援してもわらなければ、実現できない。

30年ぶりに立つステージが恐くないかと聞かれて「昔の仲間に会うようなもんだ」と答えていたアーサー・ケイン。ライヴの場って、本当に・・その場にいる人とアーティストとの一体感を感じれる素晴らしい場所だよね、と思う。

野崎洋子