2008年12月4日木曜日

SEPARATE BEDS

1980年のアルバム「ARGYBARGY」から、クールなミディアムテンポの隠れた名曲「SEPARATE BEDS」を紹介します。

この曲は、若い恋人たちの初めてのぎこちない遠出の様子を歌っています。遠慮がちに別々のベッドで寝る、というのも泣かせますが、なんといってもうまい描写は、ふたりはお互いのお母さんに好かれてないというところ。ぼくはドラッグをやってると思われていて、彼女は料理ベタ(じゃがいもの皮むきがへたくそ)なことがばれている。きっと家に連れてきたときに、彼女はお母さんといっしょに台所に立ったのでしょうね。お母さんの苦々しい表情が目に浮かびます(笑)。ほんとにイギリス映画の1シーンを見ているようです。でも、お互いのお父さんには、なぜか気に入られているというのもおかしい。B&Bのおばさんにすすめられた景色のいい絶壁というのは、「SLAP & TICKLE」に出てくる「恋人たちの身投げ台」(Lover's Leap)みたいな所でしょうか。

とにかく歌詞のディテイルが面白いのですが、曲調の方はちょっとニューウェイヴっぽい突き放した感じで、これがまた男の子のなんともやるかたない気持ちをうまく表しているように思います。

タイコウチ


「今夜ふたり別々のベッドで」

今夜、ぼくは彼女を両親の家から連れ出す
彼女を救出しにきたんだ
手はずについては何も言わずに
彼女は手がかりを残さず家を出た
そこでぼくは言った、きみを連れていきたい
ぼくが考えた場所へ
きみのことを大切にもてなすよ
トランプをちょっとやって
ふたり別々のベッドで寝る

彼女の母親はぼくのことが気に入らない
ぼくがドラッグをやってると思っているから
ぼくの母親は彼女のことが気に入らない
彼女がジャガイモの皮をちゃんとむかないから
だからぼくたちはいっしょに出かけて
スミスさんのB&Bに泊まった
朝食は7時半から
窓からは景色のいい絶壁が見えますよ

満月が窓から中を照らし
ベッドで寝返りを打つ彼女の姿が見える
愛されてはいても、ぼくは地獄と天国のあいだで宙ぶらりん
時は過ぎゆくばかりで、楽しみはない
やがてこんなの馬鹿げてると思い始める
この娘のために稼いだ給料を全部はたくなんて
うまくいけば
海辺でふたり並んで寝そべることだってできたのに

彼女の父親はぼくのことが気に入ったみたい
ぼくが車の修理を手伝ってあげたから
ぼくの父親は彼女のことが気に入ったみたい
埠頭と夜景を見に
ふたりで出かけることだって
別に問題ないと思っている
だからぼくたちはいっしょになれる
今夜ふたり別々のベッドで

(訳:タイコウチ)