2009年6月6日土曜日

STILL



1月の来日時にも毎回のように演奏してくれたこの曲は、まさにシングルにふさわしいポップな名曲です。しかし(というべきか)、この歌の内容は、やはりグレンと奥さんのスザンヌの関係を歌ったものなのでしょうね。極甘ののろけソングのようにも聞こえます(笑)。

うまいなあと思ったのは、「きみに会えるとなればいつだって/ぼくのスケジュール帳には窓が開くように空白ができた」(Windows would appear in my diary /If there was a chance of seeing you)という部分です。ちょっとしたアニメーションの映像が頭に浮かび、歌い手が彼女に夢中になっていく様子が手にとるようにわかります。

2番の歌詞は、演劇の舞台をモチーフにした内容ですが、マラプロップ夫人というのは、リチャード・ブリンズリー・シェリダンの戯曲『恋がたき』(The Rivals,1775年)の登場人物で、発音のよく似たことばを言い間違えてしまう癖のある女性の名前だそうです。例えば、「He is the very pinnacle of politeness(彼はまさに礼儀正しさの極地だわ)」と言うべきところで、「He is the very pineapple of politeness(彼はまさに礼儀正しさのパイナップルだわ)」というような言い間違いのセリフがあるそうです。スザンヌさん、実は「言いまつがい」が多いのでしょうか(笑)。

タイコウチ


「今でもまだ」

運命のいたずらか、それとも茶葉占いで決まっていたのか
あるいは星に打たれたのか、ともかくぼくらは互いに夢中になった
きみほど素敵な人はいないとぼくには思えた
自立心があって、てきぱき有能で、熱意にあふれるきみのこと
ぼくはあらゆる手段を使って調べあげた
きみに会えるとなればいつだって
ぼくのスケジュール帳には窓が開くように空白ができた

ぼくらは、引き算じゃなく、足し算の関係
ふたりいっしょになれば魅力も倍増、カオスやドラマがなくたって平気
きみをひと目見るだけで、ぼくの魂は空高く駆け上がる
ぼくとマラプロップ夫人、ほれぼれするような姿で舞台に登場
ぼくらに降りかかるたいていの問題は愉快に笑いとばせる
今でもふたりのあいだにきらめくこの火花を
抱きしめていられるこの幸せ
今でもまだ…

きみはぼくを愛してくれるけど、ときには耐えかねて
ぼくのことを気絶するほど殴ってやりたいと思うこともあるはず
でもぼくの器用さが重宝することだってたまにはあるさ
ぼくがかんしゃくを起こして、口喧嘩になることもあるけど
胸の鼓動が速まるのは、きみのせいなんだ
ぞくぞくするほど興奮すると言ったって決して大げさじゃない
今でもまだ…

(訳:タイコウチ)