2009年1月4日日曜日

THIS ROAD

一般のファンにとっては(私もそうです)、2008年に出たグレンのデモテイク集「IN THE SKY ABOVE」、あるいは「RIDICULOUS」のリマスター盤のボーナストラックとして初めて耳にすることになったスクィーズの未発表曲「THIS ROAD」ですが、実は、1996年のアメリカ映画「THE TRUTH ABOUT CATS AND DOGS」のサントラに収録されていたようです。映画の中で実際に使われているかどうかは不明です。

1995年のアルバム「RIDICULOUS」のアウトテイクということですが、一聴して驚いたのは(正確には、1回目で「あれっ?」と思い、2回目で「へえ!」と確信しました)、若干の節回しの違いはあるものの、曲全体の構造が「ELECTRIC TRAINS」と瓜ふたつなのです。

これは推測ですが、クリスからフランシス・ダネリーの手に渡っていた「ELECTRIC TRAINS」の歌詞を、グレンが取り戻したところで、いったんは録音していたものの、たぶんいまひとつなできに満足できていなかった「THIS ROAD」の骨組みを借りて、新たな歌詞で作り直してみたのがスクィーズ版の「ELECTRIC TRAINS」ということなのではないでしょうか。

そう考えると、この「THIS ROAD」と「ELECTRIC TRAINS」の聴き比べはいっそう面白いのですが、歌詞もメロディも演奏も、すべての点で「ELECTRIC TRAINS」の方が勝っているのは、しょうがないですね(笑)。

ちなみに、この歌の恋人たちが最後に踊りながら歌う「私は思うがままに生きてきた(I did it my way)」という一節は、フランク・シナトラで有名なあの「MY WAY」からの引用ですね。

なお、この歌詞は、公式のものが発表されていないので、squeezefan.comのsongbookにある聴き取りの歌詞を参考にしているので、不正確なところがあるかもしれません。

タイコウチ


「この道はふたりの旅路」

彼女は部屋のテーブルに腰をかけ
彼はケーブル・テレビのチャンネルをあちこち変えながら
ふたりは囁き声で愛について話す
古ぼけたトランジスタ・ラジオから聞こえてくるような声

(愛について語る)
真剣な口調で愛について電話で話し込む
(愛について語る)
ふたりの誇りをかけた愛は、浮き沈みのあるローラーコースターのよう
(愛について語る)
この道は生涯にわたってつづいていく

非の打ちどころのないふたりの関係
限りなく燃え上がる情熱
心の平安とともに人生を探し求める
積み上がる愛に限界はない
熱い吐息を重ねる
もうコントロールを手放すまであとわずか

日ごと新たな問題もあらわれるが
ふたりの誓いが消え去ることはない

彼女はあふれるグラスを手にして座る
彼はチャンスがふくらんできたのを知る
家に着いたふたりは車を降りてダンスを踊る
恋人たちは歌う「私は思うがままに生きてきた」

(訳:タイコウチ)