2015年3月29日日曜日

Everybody Sometimes

「エブリバディ・サムタイムス」

支配階級の気前よさは
仲間内の名誉を汚された者だけに向けられる
気の毒だけれど罪をあがなうには時間がかかる
悪い記憶を忘れるにはそれなりの時間が必要なんだ

きみの居場所にはいつだってぼくたちがいるのだから
この温かいお湯の中に
体をひたせば、いずれ全部消えていくはず
今回はしくじったけれど
いつだってまた次のチャンスがある

あそこではみんなが権利を主張して言い争ってばかり
きみは十分努力したし、冷静だった
時が立てば、いずれはただの思い出となり
きみの言葉に責任を問われることもなくなるだろう

きみの居場所にはいつだってぼくたちがいるのだから

誰だってときには自分の望みに届かないことがある
誰だってそんなことはある
きみはよく考えずにだまされてしまったんだろう
ときには
誰だってそんなことはある

数字なんて適当にごまかして、うまく切り抜ければいい
不平を言うやつらを突きとめて、その文句は無視してやれ
もっと家族とすごす時間を増やし、ペンキ塗りも覚えるといい
目立たないよう、しばらくはそうしていれば大丈夫

きみの居場所にはいつだってぼくたちがいるのだから

(訳:タイコウチ)


 この歌は、おそらく仕事で大きな失敗をしてしまった友だちのことを、「誰だって失敗してしまうことはある」といって慰めるという内容だと思うのですが、その仕事がけっこう派手なものだったのでしょうか、何かモデルとなる実際の事件があるのかもしれないという気もしますが、よくわかりません。
 このアルバムでは3曲あるクリス・ブレイドとの共作ですが、ソロになってからのグレンの作品には、自伝的な家族ものに加えて、ちょっとシリアスな社会性をもった曲、特にいろいろな意味で社会の中でうまくやっていけない人たちを描く歌がけっこうあると思います。

CHAT LINE LARRY

「チャットラインのラリー」

いったいどういうわけなのか
ぼんやりした責任のようなものを感じるだけ
朝起きだすのがいつも試練だった
靴下にヘッドホン、ズボンとベストをつけた豚みたいにハッピー

チャットラインのラリー
チャットしているラリー、チャット、チャット、チャット、チャット
チャットラインのラリー

理屈で考えるのが苦手なラリー
「大丈夫だよ、面倒はごめんだ、まあ落ち着けよ」
話したがってるときは、あいつの指の自由にさせてやれ
成人用プレミア料金がラリーのコルクをポンと抜く

チャットラインのラリー
チャットしているラリー、チャット、チャット、チャット、チャット
チャットラインのラリー

0909…この回線は1分1ポンドです
0909…料金はつけといて!
0909…最初に説明があります
なんてことだ!ラリーは電話料金地獄にはまってる

なんとか理解しようとしても、まだうまくいかない
ラリーは電話セールスに輝かしい未来を見ている

チャットラインのラリー
チャットしているラリー、チャット、チャット、チャット、チャット
チャットラインのラリー
チャットしているラリー、チャット、チャット、チャット、チャット
チャットラインのラリー
0909、なんてことだ!
0909、なんてことだ!もうおしまいだ!


(訳:タイコウチ)



 グレンとナイン・ビロウ・ゼロ(Nine Below Zero)との共作アルバム「The Co-Operative」からの1曲で、バンドのメンバーであるデニス・グリーヴスとの共作です。前回の来日のときから新曲として歌ってましたね。内容は、チャットラインにはまっているラリーという男の話のようです。あまり深い意味を求めるのも無粋というものでしょう(笑)。

ICECREAM

「アイスクリーム」

きみの頭と同じくらいのでっかいアイスを買ってあげるよ

(訳:タイコウチ)


 この曲は、グレンのひいひいおじいさん(曾々祖父 great great grandfather)が歌っていた1909年のミュージカルの歌だとステージでは紹介していますが、そんな雰囲気でということで、たぶん冗談ですよね? 

 レコードに記されている歌詞は1行分だけですが、実際に歌われる歌詞は、次のように真ん中の部分が部分的な繰り返しになっていて、さらに全体が4回繰り返されます。


I’ll buy you an ice cream
buy you an ice cream
as big as your head

 最近のライヴでは観客に合唱させたりしているみたいなので、覚えておいた方がいいかもしれません!?


2015年3月25日水曜日

FRUIT CAKE

フルーツケーキ

とてもきれいで、おかしくて、ちょっと変わってる
ちょっといかれた感じは出会ったときから
ぼくは昔からその日暮らし
彼女といっしょならなんとかなるだろうと思った
彼女はゆっくり時間をかけて人生を学び
ぼくもそのためにできるだけのことをした
ブレーキから足をはずし、エンジンの調子も上がってきた
愛情のすべてをぼくの大切なフルーツケーキに捧げた

オーブンで焼き上がったロールパンみたいにぴったりのタイミングで
最初は男の子が一人、そしてまた一人
無我夢中で子どもたちのことを愛した
生活が変わり、やるべきことも変わる
寝不足のせいでいろんなことがうまくいかなくなり
ぼくたちの愛は逆方向にロックされてしまった
恨みや怒りが受け入れがたいのは
ぼくのかわいいフルーツケーキに殴られるのと同じ
殴られてもその傷を隠し
心はぼろぼろなのに、大丈夫だよと答えてしまう
ぼくたちはぐるぐる回りながらどこへも行けず
口げんかは2階まで持ち越される
フルーツケーキをめぐる混乱に投げ込まれて
ぼくはもうくたくたになってしまった

たしかに手をつけなければいけない問題がある
さもないとぼくはただぼろぼろになっていくだけ

月日はすぎ、ぼくたちはまだなんとかやっている
調子はどうなのときみに聞かれ、ぼくは作り笑顔
否定はしないが、隠しているだけ
家族いっしょにいられれば、傷はそのうち癒えるだろう
結局自分にできる最善をつくしてきたということ
子どもたちとぼく、そしてぼくの大切なフルーツケーキのために
さて、怒りをもって振り返るか、過去から何かを学ぶのか
陪審員は協議中にて、裁判は一時休廷

(訳:タイコウチ)

 The Fluffersとの名義の前作「Pandemonium Ensues」に収められていた「Best of Times」「Happy Disposition」「Still」などに連なるティルブルック夫妻というか一家の自伝的内容と思われる1曲です。フルーツケーキというのは、もちろん奥さんのことなのでしょうが、面白いのは、単なる「アイ・ラブ・ユー」の歌ではなく、彼女といっしょにやっていくのもいろいろたいへんなんだという真情(?)を吐露する雰囲気があることです。なんだかリアルで、身につまされます(笑)。こういう正直なところ、ある意味グレンの人としてのまっとうさを感じるところでもあります。


2015年3月22日日曜日

BONGO BILL

「ボンゴ・ビル」

ボンゴ・ビルは、じっとしていられない
窓からからだを乗り出して
頭をぶつけて気分が悪くなった
母さん言うには、ほら薬を飲みなさい

ボンゴ・ビル、ボンゴ・ビル
ボンゴ・ビル、ボンゴ・ビル

ボンゴ・ビルとフィルおじさん
サッカーをしに二人で丘の向こうへ
おんぼろチームは5対0で大負け
やる気もないし、技もない

ボンゴ・ビルは自分の気持ちをうまく言えない
うまくいけば、問題が起こらなければいいんだけど
女の子はすぐにいなくなる
どうしていつもこうなのか

ボンゴ・ビルは家を離れたことがない
出ていきたいと思ったことがない
お母さんが必要なこと全部やってくれる
それよりましなことはないはずだから

ボンゴ・ビル…

(訳:タイコウチ)



 この曲はグレンのご子息レオン君との共作です。サビのフレーズがレオン君なのかな。なんだか情けない男の子(?)の日常がユーモラスに歌われています。