最近のスクィーズのライヴでも久しぶりにレパートリーになっているらしい「WHEN THE HANGOVER STRIKES」(「SPOT THE DIFFERENCE」のイギリス盤にはライヴ・トラックとして収録)は、もともと1982年にバンドが最初の休憩に入る直前のアルバム「SWEETS FROM A STRANGER」に入っていた曲です。このアルバム自体は、すでにバンドが失速状態にあったということもあり、あまりいい思い出はないようですが、過去 のインタヴューによると、この曲に関しては、グレンもクリスもアルバムの中で特にお気に入りの自信作であるようです。クリスの希望は、トニー・ベネットに この曲を歌ってもらうことなのだそう。
今でこそ完全にアルコールを断ったというクリスですが、この曲が書かれた80年代は酒に溺れる日々が続いていたようです。そんな飲み過ぎによる二日酔いの 苦しみも自虐的に作品にしてしまうのは、才能のあるミュージシャンの業というべきか(笑)。そんな詞にグレンのつけた曲は、スクィーズにしては珍しいジャ ジーな雰囲気たっぷりで、酒場にお似合いです(笑)。グレンによると、ギターはエイモス・ギャレットの「弾きすぎない感じ」を参考にしたとのことです。
ところで、この曲の最新のライヴ・ヴァージョンを聴いていて気づいたのですが、オリジナル録音では「戦いに勝った(Now the battle is won)」となっていた3番の歌詞が、正反対の「負けを認めよう(Now the battle is lost)」になっています。歌詞の流れからすると、「負けを認めよう」の方が筋が通ると思うので、それはそれでいいのですが、歌っているグレンは意識的 に歌詞を変えたのか、それとも単なる勘違いで歌詞が変わってしまったのか、ちょっと気になっています。下の対訳では、現在のヴァージョンに合わせて、「負 けを認めよう」にしました。実は、「Tempted」の歌詞でも、オリジナルの歌詞と、現在のグレンの歌い方で、歌詞がちょっとだけ違って聴こえるところ があるのですが、それについてはまた別の機会に。
「二日酔いにやられて」
二日酔いにやられて
郵便受けを開けて
コーヒーメーカーのスイッチを入れ
トーストを焦がしてる
さあ戦闘開始だ
木漏れ日に目をやると
ドアからはすきま風
ひざに頭をかかえたままで
また新たな一日が始まる
でも頭がぜんぜん働かない
二日酔いにやられて
水道の蛇口をひねると
うるさくて頭にがんがん響く
まだ戦いに負けたわけじゃない
そんな事実に囚われて
迎え酒といくか
それともメーメー子羊のように鳴いて
弱気で抵抗してみようか
せめて半人前の自分にもどりたい
いやそれもすぎたことか
あわれで、みじめ、ふらふら(シェイク)で一杯
どうか頼むよ、酒をついでくれ、この僕にもう一杯
二日酔いにやられて
鏡をのぞけば
もう真夜中の総攻撃にかけるしかないってことか
たったの一杯がなんて魅力的なことか
もう負けを認めよう
一杯の酒という良薬が
僕にその悩みを打ち明けてくれる
部屋に閉じこめられた気分だけど
開ける鍵が見つからない
まあ何も盗られてないけどね
あわれで、みじめ、ふらふら(シェイク)で一杯
どうか頼むよ、酒をついでくれ、この僕にもう一杯
(訳:タイコウチ)
2010年12月18日土曜日
2008年12月3日水曜日
BLACK COFFEE IN BED
ライヴでは、バンドでもソロでも定番のこの1曲、スクィーズの代表曲といってもいいと思います。
第一印象では、ノートについたコーヒーの染みを見て、別れた彼女を未練がましく思い出しているようにみえますが、実は、独り身になった身軽さでさっそく次の彼女とデートをしているという、ちょっとそんなのありなのか、という変な内容です。もしかすると、新しい恋人とのデートというのは、負け惜しみのはったりなのかもしれませんが、後半調子が上がってきているところをみると、そうでもなさそうです。というわけで、この曲の歌詞は、個人的にはなんだかすっきりしない謎の染みとして、私のノートに残っているのです。
タイコウチ
「ベッドで飲んだブラックコーヒー」
ぼくのノートについた染みは
きみがコーヒーカップをおいた跡
ページにはさまった灰を見て
つい我を忘れてしまったみたいだ
きみに手紙を書こうとしてたんだ
今夜のぼくの気持ちは
ノートについた染みみたいなものだって
それを見てきみに言われたさよならを思い出す
きみがあんなふうに出ていくなんて
ほんとに信じられないよ
傷ついて、頭にきて
でもこの苦しみの中には喜びもある
これでぼくはシングルになれたから
ぼくの瞳には愛の炎がきらめきはじめる
そしてノートにはまた新しい染みが
今夜新しい恋人とともに
情熱の失われた唇から
キスを求める唇へ
もうきみの愛情に
ぼくが求めるものは何もない
ノートについた染みが
残っているだけ
夜更けまできみと過ごし
ベッドで飲んだコーヒーの思い出として
もう彼女は行ってしまった
そしてぼくにも調子がもどってきた
ノートについた染みを見ても
何も思うことはない
もう彼女は行ってしまった
そして僕は新しい友だちとデート
唇にあふれる情熱
そしてベッドで飲むコーヒー
(訳:タイコウチ)
2006年10月2日月曜日
HIS HOUSE HER HOME
端正なピアノの調べではじまるこの歌は、まさに室内楽ポップという言葉がお似合いですが、内容はクリスお得意の(?)不倫ものです。このモチーフをもう少しシリアスに発展させたものが「CAN OF WORMS」になったのではないかと思います。
ヴォーカルは、グレンではなくクリスなのですが、クリスはグレンに無理矢理高いキーで歌わされたとレコーディングのときの苦労を語っています。グレンには、クリスにもっといろんなタイプの歌を歌わせてレパートリーを増やしてやりたいという意図があったようです。
94年のスクィーズ初来日のときには、オープニング・アクトで綿内克幸さんがこの曲をギター1本でカヴァーしてくれて、思わぬプレゼントをもらったような気がしました。綿内さんは、スクィーズがライヴではいかにも演奏しなさそうな曲ということで、わざわざこの曲を選んだのだそうです。
タイコウチ
「彼の家、彼女の家庭」
ぼくたちがキスを交わすとき
きみの夫に見られているんじゃないかと思う
彼の目が見下ろしている
本棚に立てかけてある写真から
スリッパやストッキングが
床の上に脱ぎ捨ててあるのを
デキャンタのワインを飲みほすと
ぼくの言葉はまたもやもつれてしまう
彼の家、彼女の家庭
ぼくたちの未来は恋人同士の世界
彼女の息子、彼女の気持ち
彼女の愛はぼくのために、明日の世界へ
きみの息子がテレビでマンガを見てるとき
ぼくは自分のことを思わず笑ってしまう
朝トイレでいっしょになると
きみの息子はぼくのことを見上げる
お母さんにキスをするぼくのことを見とがめて
まばたきもしない
いろんなことを聞いてくる
とても答えられないようなことばかり
ぼくは酔っぱらってひとりごとを言うけど
きみはまだしらふ
交わす言葉は少なく 2人にはまだ距離がある
彼女をつかまえようとぼくは腕を伸ばす
彼女の愛に飢えているから
ぼくが墓場から救い出してきた愛しい人
過去は写真の中に閉じこめて
未来はこれからぼくたちがフレームにおさめる
(訳:タイコウチ)
英文の歌詞はこちら
ヴォーカルは、グレンではなくクリスなのですが、クリスはグレンに無理矢理高いキーで歌わされたとレコーディングのときの苦労を語っています。グレンには、クリスにもっといろんなタイプの歌を歌わせてレパートリーを増やしてやりたいという意図があったようです。
94年のスクィーズ初来日のときには、オープニング・アクトで綿内克幸さんがこの曲をギター1本でカヴァーしてくれて、思わぬプレゼントをもらったような気がしました。綿内さんは、スクィーズがライヴではいかにも演奏しなさそうな曲ということで、わざわざこの曲を選んだのだそうです。
タイコウチ
「彼の家、彼女の家庭」
ぼくたちがキスを交わすとき
きみの夫に見られているんじゃないかと思う
彼の目が見下ろしている
本棚に立てかけてある写真から
スリッパやストッキングが
床の上に脱ぎ捨ててあるのを
デキャンタのワインを飲みほすと
ぼくの言葉はまたもやもつれてしまう
彼の家、彼女の家庭
ぼくたちの未来は恋人同士の世界
彼女の息子、彼女の気持ち
彼女の愛はぼくのために、明日の世界へ
きみの息子がテレビでマンガを見てるとき
ぼくは自分のことを思わず笑ってしまう
朝トイレでいっしょになると
きみの息子はぼくのことを見上げる
お母さんにキスをするぼくのことを見とがめて
まばたきもしない
いろんなことを聞いてくる
とても答えられないようなことばかり
ぼくは酔っぱらってひとりごとを言うけど
きみはまだしらふ
交わす言葉は少なく 2人にはまだ距離がある
彼女をつかまえようとぼくは腕を伸ばす
彼女の愛に飢えているから
ぼくが墓場から救い出してきた愛しい人
過去は写真の中に閉じこめて
未来はこれからぼくたちがフレームにおさめる
(訳:タイコウチ)
英文の歌詞はこちら
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